メンバー紹介:森内旭が愛する映画

【日本映画】
 
1位 EUREKA 青山真治監督・2000年

2位 3-4X10月 北野武監督・1990年

3位 竜馬暗殺 黒木和雄監督・1974年

4位 田園に死す 寺山修司監督・1974年

5位 エンドレス・ワルツ 若松孝二監督・1995年

6位 絞死刑 大島渚監督・1968年

7位 天国と地獄 黒澤明監督・1963年

8位 人間蒸発 今村昌平監督・1967年

9位 家族ゲーム 森田芳光監督・1983年

10位 贅沢な骨 行定勲監督・2001年

次点 全然大丈夫 藤田容介監督・2007年

不動の1位は青山真治の『EUREKA』。面白い・面白くないという範疇を超えた、
時折り摂取しなければならない必須栄養素のような作品。
ジム・オルークの音楽も秀逸。

2位は北野武監督作。ストーリーをあくまでエンディングに至るまでの導線と捉え、
決まった枠組みの中でいかに遊ぶかをテーマとしている、
おもちゃ箱のように自由な作品。

3位はキャスティングが絶妙。田村正毅の映像も絶品。
肥溜めに落ちた石橋蓮司をとくと見よ。

4位は寺山修司。中学生のときにはじめて鑑賞した際は、
恐怖で震えが止まらなかったが、二度・三度と鑑賞していくにつれ、
自分にとっては抱腹絶倒のコメディとなった。
愛しい恋人とホテルのスウィートルームで見る映画としては最も適さない作品。

5位は若松孝二。阿部薫・鈴木いづみ夫妻を描いた映画。感涙必至。
おっぱいも見ることができるので一石二鳥。

6位は大島渚。観念的な内容でありながら、エンターテインメントも忘れていない、
バランスのとれた作品。

7位については言及の必要はないだろう。文章を書くのにも飽きてきたし。

8位は今村昌平のドキュメンタリー。
ドキュメンタリー=リアルだと考えている人々の頤に見事なアッパーカットを喰らわしている。

9位、これは面白いですよお。見てください。面白くなくても恨まないでください。
あらゆる人々にもう十分に恨まれていますから。

10位は行定勲。単に自分の好み。これもおっぱいが見れる。

次点の『全然大丈夫』はオフビートコメディ。家族で見ても全然大丈夫。
愛しい恋人とホテルのスウィートルームで見ても全然大丈夫。
修羅場にいるときは見ないほうがいい。


【外国映画】

1位 イディオッツ ラース・フォン・トリアー監督・1998年

2位 時計じかけのオレンジ スタンリー・キューブリック監督・1971年

3位 サンセット大通り ビリー・ワイルダー監督・1950年

4位 サマリア キム・ギドク監督・2004年

5位 ベニスに死す ルキノ・ヴィスコンティ監督・1971年

6位 息子のまなざし ダルデンヌ兄弟監督・2002年

7位 レナードの朝 ペニー・マーシャル監督・1990年

8位 息子の部屋 ナンニ・モレッティ監督・2001年

9位 マグノリア ポール・トーマス・アンダーソン監督・1999年

10位 悪魔のいけにえ トビー・フーパー監督・1974年

次点 バッファロー’66 ヴィンセント・ギャロ監督・1998年

堂々の1位は、ドグマ95という手法で撮られたラース・フォン・トリアーの実験作。
これほどまでにグロテスクで美しい映画を、僕は他に知らない。
精神の組成を根本から変えてしまうほどの力を持った、とてつもなく危険な映画である。

2位は言わずと知れたスタンリー・キューブリックの怪作。
素晴らしくハラショーな映画(『ハラショー』とはロシア語で『素晴らしい』の意)。

3位はハリウッド内幕物の金字塔。
ビリー・ワイルダーのサスペンス映画では『情婦』と双璧を成す大傑作。
※筆者、ビリー・ワイルダーの作品は数えるほどしか見ていない。

4位は韓国の鬼才、キム・ギドク監督作。少女二人がとにかく美しい。
時折り挿入される、サティの『ジムノペディ』が印象的。

5位は『ベニスに死す』。濁音である。あくまで濁音である。半濁音ではない。
私の半濁音はまだ死んでいない。使う機会がないだけである。

6位はベルギーの巨匠(たちと言うべきか)、ダルデンヌ兄弟の作品。
静かな映画だが、常に感情の摩擦音がほとばしっている。

7位は僕にとっての記念碑的な作品。僕の映画人生はここからはじまった。

8位はなんといってもブライアン・イーノの『バイ・ディス・リバー』でしょう。
この曲を選ぶナンニ・モレッティのセンスに感服です。

9位はなんといってもエイミー・マンの『セイブ・ミー』でしょう。
この曲を選ぶポール・トーマス・アンダーソンのセンスに感服です。

10位はねえ、これはもうただただ楽しんでください。
個人的な白眉はやはり指ちゅぱちゅぱだと思います。

次点は『バッファロー’66』。
ヴィンセント・ギャロはこの一作で映画の歴史に名を刻んだ。
彼の『When』というアルバムも結構いいですよ。
作詞・作曲・ボーカル・楽器演奏、全て彼一人でこなしています。友達が少ないのかもしれません。