【日本映画】
山椒大夫 溝口健二監督・1954年
近松物語 溝口健二監督・1954年
東京暮色 小津安二郎監督・1957年
くちづけ 増村保造監督・1957年
大菩薩峠 三隅研次監督・1960年
乱れ雲 成瀬巳喜男監督・1967年
恋人たちは濡れた 神代辰巳監督・1973年
東京上空いらっしゃいませ 相米慎二監督・1990年
2/デュオ 諏訪敦彦監督・1997年
H story 諏訪敦彦監督・2001年
すべては夜から生まれる 甲斐田祐輔監督・2002年
UNLOVED 万田邦敏監督・2002年
10本すべて溝口にしても良いという気持ちもあるが、晩年の2作にしてみた。
『山椒大夫』は何度観ても涙してしまう。
いつだったかのシネマヴェーラでの上映時に、
やはりラストで号泣しながら場内が明るくなり、
隣に座っていた顔だけ存じ上げているかなりなシネフィルと思われる方も
目を真っ赤にしており、「何度観ても泣いちゃいますよね」と
心の中で通じ合えたように思えたことが忘れられない。
諏訪敦彦監督は、私が現在日本で最も尊敬しており、新作を待ち焦がれている方。
映画の可能性を深刻に探究しようとするスタイルで、
観客を現在進行形のスクリーンに強烈に引き込んでくる。
寡作ながら2作入れさせて頂いた。
ということで10監督12作品挙げました。順位はつけられません。
【外国映画】
1位
はなればなれに ジャン=リュック・ゴダール監督・1964年
小さな逃亡者 モーリス・エンゲル監督・1953年
小さな兵隊 ジャン=リュック・ゴダール監督・1960年
去年マリエンバードで アラン・レネ監督・1960年
オルエットの方へ ジャック・ロジエ監督・1970年
オープニング・ナイト ジョン・カサヴェテス監督・1978年
ボーイ・ミーツ・ガール レオス・カラックス監督・1983年
ラ・ピラート ジャック・ドワイヨン監督・1984年
転回 ラナ・ゴゴベリーゼ監督・1986年
動くな、死ね、甦れ! ヴィターリー・カネフスキー監督・1989年
ギターはもう聞こえない フィリップ・ガレル監督・1991年
ラスト・ダイビング ジョアン・セーザル・モンテイロ監督・1992年
エドワード・ヤンの恋愛時代 エドワード・ヤン監督・1994年
冷たい水 オリヴィエ・アサイヤス監督・1994年
ベスト10本くらいということでご勘弁下さい。これでも頑張って絞りました。
ドライヤーもブレッソンもアントニオーニも入っていない!
『はなればなれに』は初めて劇場で観たゴダールで、
映画の中に生きたいという感覚を味わってしまった不動の作品。
他作品は製作年順です。
ガレルは『自由、夜』も『愛の誕生』も挙げたかったがキリがないので渋々1本だけ。
映画と自身(の人生)の関係性をこれほどまでに重合してみせる監督を他に知らない。
恐らくガレルの映画で最も救われるのはガレル自身であるに違いないが、
少なくとも私は字幕でしか話している内容を理解できないにもかかわらず、
ガレルの映画に救われるし、自分が生きていることが赦されるように思えるのだ。
これだけ私的映画である作品が同時に普遍性を獲得することが
(これまた少なくとも私の中では)証明されてしまったのである。
映画というものはどうやら凄いぞと確信させられた監督です。